やっぱりことばって面白い。

現在、5年生クラスでは、英語劇「オズの魔法使い」に取り組んでいます。

昨年に比べて、セリフの長さも難易度も上がっていますが、生徒たちは更に好奇心をもって、生き生きと取り組んでくれています。

台本となるテキストは、洋書なので、日本語訳がついていません。そこで、日本語での意味がつかめるように、別途ワークシートを作って、生徒たちに日本語訳を書かせています。

英文の下に、日本語のヒントを2、3語書いておいて、あとは生徒たちに考えてもらって文章を書き込むようにしてもらっています。ヒントがあるだけで、生徒たちはあまり迷うことなく文章を組み立てられます。この作業の目的は、S(主語)+V(動詞)「だれがなにをした」といった英語の語順に慣れてもらうことです。

たとえば、下のセリフ。

きみは思う?→魔法使いがくれる(と思う?)→魔法使いが僕にくれる(と思う?)→魔法使いが僕にハートをくれる(と思う?)→きみは魔法使いが僕にハートをくれると思う?といった思考プロセスを踏んで、生徒たちは時間をかけることなく、言葉のパズルを楽しんでやっています。

この作業を子供達とやっていくなかで、最近もう一つのメリットに気付きました。

ライオンのセリフで、Yes. I am a coward. という文があります。「はい、私は臆病です。」という意味ですが、ライオン(オス)が言うセリフだから、「ぼく」?いや、「オレ」のほうがいいかな、「はい」なんてかしこまった言い方はしないだろうから、どんな風に言おうか?「そうなんだ、オレは臆病なんだ。」っていうのは?と生徒からもセリフのアイディアを引き出して、ワークシートに日本語を書き込んでいきます。ただ機械的に訳すのではなくて、この役だったら、こんな風に話すかな?と言葉のチョイスや話し方を熟考して、なかなかセンスのある訳を出してきます。まるで小さな脚本家たちのようです。こうすることで、「意味」の浸透もより定着していくかと考えています。これは余談ですが、あるクラスで、We have to go back home to Kansas. というトト(ドロシーの飼い犬)のセリフを、「僕たちはカンザスにもどらにゃいけん!」(やまぐち弁)って書いてもええ?と生徒に聞かれ、一瞬とまどいましたが、飽くまでも「意味をとらえる練習」という目的においては、子供が一番腑に落ちる訳が一番!と考え、OKとしました。つくづく、「ことば」って面白いなあと実感する出来事でした。

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