英語を通じて「考える力」を養う
最近、授業で扱った英文に非常に考えさせられる文章がありました。
To assume that the majority view is necessarily enlightened is a serious mistake. If 1 percent or 49 percent of the population can be shallow or prejudiced in their view of an issue, so can 51 or 99 percent.
(日本語訳)
多数派の意見が必然的に賢明なものと思い込むのは、重大な過ちである。もし人口の1%あるいは49%に当たる人たちの、ある問題に対する考え方が浅はかで偏見をもったものであるならば、51%あるいは99%の人たちについても同じことが言える。
奥が深い文章ですね。「多数派が正しいという前提を疑え、多数派が無知であるという可能性も考えられる」というような内容です。実際授業で生徒に訳させてみると、パーセンテージの数字に惑わされて、なかなか文の真意まではたどり着けない様子です。大学受験に出題される英文は、ただ日本語に訳せれば良いというものではなく、本当に筆者の意図が理解できているかが重要だと私は考えています。それには、国語力のみならず、文章の背景となる様々な基礎知識(政治・経済・歴史・哲学・地理・数学など)が必要です。授業を通して、単に英文を訳す練習だけでなく、英文を通して生徒の視野を広げられるように、また多角的に考えられるように指導したいと日々奮闘しております。