似ているようでちょっと違う!熟語って難しい。

高3生の授業もいよいよ佳境に入ってきました。毎週の熟語テストでは、日本語訳を見て英語を答えるという形式をとっています。先日のテストで、「~に熱中している」という問題があり、正解は “be absorbed in”だったのですが、生徒からの解答は、“be keen on”でした。どうやら、この二つを混同していたご様子。

確かに双方とも「熱中している、夢中である」という語訳がついているようですが、ニュアンスが違うのです。これはややこしい!

まず、absorbは「〜を吸収する」という意味で、そこから派生して“be absorbed in”は「〜に吸収されている」=「〜に没頭している」というニュアンスになります。周りが見えなくなるほど何かに気を取られているというイメージ。ですから、そのアクションは一時的な印象を受けます。

She was absorbed in reading the book and forgot to make dinner.

彼女はその本を読むのに夢中になって、晩ご飯を作るのを忘れた。

We were absorbed in the film when the phone rang.

電話が鳴ったとき、私たちは映画に没頭していた。

一方、“keen”という単語には「鋭い」という意味があり、“be keen on”の形になると「何かに熱心である」というニュアンスが出てきます。「…に夢中である」「…が大好きだ」などという意味です。be absorbed inと違って、その対象は「人」にも使えますし、時間的にももうすこし長いスパンで語られています。

My father is keen on collecting comic books.

私の父は漫画を集めることに熱心だ。

He was keen on her for months before he asked her out.

デートに誘う何カ月も前から、彼は彼女に夢中だった。

否定文でも良く使われます。やんわり断る表現にもなります。

Actually, I’m not so keen on going out tonight.

実は今夜はそれほど出かけたくはないんです。

I’m not too keen on Japanese food.

和食はそれほど食べない方だ。

いかがでしょうか。be absorbed in とbe keen onはイコールではないんですね。熟語の意味は丸暗記では危険です。必ず語源と例文を併せてチェックして、言葉のイメージを理解しましょう!

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