登山と受験勉強

塾長です。

塾長は30歳の時に初めて本格的な登山をしました。中学校の全校登山以来の登山でした。場所はカナダ。当時住んでいたカナディアンロッキーの標高3000mの山に友人と登りました。頂上では最高の気分でしたが、往復12時間かかり、下りの最後はまともに歩けなくなり、下山後1週間は階段の上り下りができないほど下半身がボロボロになりました。

その後、日本に帰ってきて東京に住んでいた時も、群馬や神奈川の山へ行きました。まさか自分が一人で黙々と山に登るようになるとは思っていませんでした。

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そして、2011年と2012年、2年連続一人で富士山に登りました。二度とも素晴らしい思い出になっています。

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では、登山の魅力とはなんでしょう。それは頂上に到着した時の達成感です。登っているときは、とてもきつくて、なんども立ち止まりながら、それでも一歩ずつすすむ。その小さな一歩を積み重ねると、少しずつ頂上に近づき、あきらめなければ、必ず頂上にたどりつける。そして素晴らしい景色を見ることができる。その達成感を得ると、それまでの苦労は忘れ、また山に登りたいと思う。その繰り返しでした。

ただ、初めて富士山に登った時は、本当に苦しくて(空気が薄くて苦しいのもありました)、なんでこんな苦しい思いして一人で登っているのだろう?もう登るのをやめて降りようかな、などと考えながら頂上にたどり着いたのを覚えています。それでもまた、翌年登りに行ってしまいました。それもこれも、頂上に到着した時の“やったー”という快感のため、頂上から眺める景色のためです。

そして、先日、久しぶりに1000mを超える山に登ってきました。山口県の最高峰は寂地山(1337m)ですが、それを超える大分県の久住山(1786m)です。九州本土では2番目に高い山です(一番はすぐそばの中岳(1791m)) 久住山はいくつか登山口がありますが、今回は一番簡単な(標高が高い)ところから登りました。スタート地点ですでに1330m。最初と最後は結構登りますが、半分くらいは尾根を平行移動の比較的楽な登山道でした。登りは写真を撮りまくって2時間、下りはわき目も振らず降りて1時間40分。久しぶりの登山で最後は結構足にきました。

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途中、多くの家族を見かけました。春休みだからか子ども連れが多かったです。おそらく10数組。下は小学2年生くらいから上は中学生か?という感じ。お父さんお母さんと一緒、お母さんだけ、お父さんだけ、と様々なメンバーで。そこでの会話が耳に入ってきて、いろんな家族がいるなーっと思いました。

登山をしながら、様々な家族を見ながら塾長が考えたこと。

よくある話ですが、登山と勉強(受験)は似ている、ということです。

勉強しながら、なんでこんな勉強してるんだろう、なんでこんな面倒でつらいことするんだろう、やめちゃおうかな、など、あまり楽しいことは考えません。勉強楽しいなあ、もっとやりたいなぁ、と思えたら(思えるときもありますが)いいのに。しかし、自分の感情をコントロールして、時間を管理して、一生懸命勉強して志望校に受かったらどうでしょう。あぁ勉強してよかった、やった!がんばった!と爽快な気持ちになると思います。登山と同じですね。地味な勉強をしているのは登りの登山道、合格は頂上。苦労した後の達成感は格別です。しんどいことを頑張ったあとには必ずご褒美があります。途中であきらめたらもちろん何もナシです。頑張ることを知る、達成感を知るにはとてもよい体験・経験になる、ということで、多くの家族が子どもたち(特に小学生)を連れて山に向かうのでしょう。

今回の登山で子供連れ家族の会話を聞いて思ったこと。

登山中の親から子どもへの声かけで、その子の将来がわかる!

というのは言い過ぎですね。でもなんとなく想像ができます。

  • おぉ、いいねー、きれいだねー、はやいねー、げんきだねー!
  • なんでそうなの?はやく歩きなさい!なにやってるの?気を付けて!

とまぁ極端な2パターンですし、文句ばかり言っているわけではないですが、結構ガミガミ系の親がいました。しかし、子どもうまくやる気にさせないとしんどい山登りなんて一緒に行かないですよね。そんなのでは二度と一緒に登らなくなるでしょう。

別の視点から。

  • 子どもに任せる
  • 完全に親主導

小学生3年生の女の子(他の登山客に話してました)を連れたお母さんがめちゃめちゃ仕切ってました。頂上で、はい、そこ立って!はい笑って!はい次の頂上行くよ!あぁ、そっちじゃない、こっちのルート! みたいに。。。。。何かの訓練?なんて思いました。

一方で、ずんずん先をいく男の子についてくお父さんとお母さんも見かけました。“そっちでいいのかぁ?”
なんてのんびり言いながら。男の子は元気なので、どんどん先に行きたがって、それについていこうとご両親が頑張ってました。楽しそうでしたね。

そして最後に

  • 放任パターン
  • 過保護パターン

ルートを決めるのもそうですが、荷物を持つか持たせるか、目の前の岩場を超えるのに足場はどこにするか、ペースをどうするか、休憩をいつするか、あまりにも親が手取り足取り決め過ぎると、子どもは自分で考えなくなってしまって指示を待つようになります。いつ、何を、どうすればいいのか?自分で考えて自分で決める、という練習をするのにも登山は適しています。ただ、本当に危険な場所・場面もあるのでその匙加減は気を付けなければいけませんが。

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ということで、登山をする姿をみると、その家庭の教育方針というか普段の家での状況が想像できるなぁと感じました。そしてそれはその子の将来につながるのかな、と。

塾で生徒を見ていると、高校生になっても親がスケジュール管理してテスト範囲の連絡してくる家庭もあります。すべて子どもに任せて一切連絡してこない親もいます。上位高・大学に行くのは後者です。大学受験、最後は自分で考えて自分で行動しないといけません。当たり前ですが。

子どもを信頼する、任せるというのはなかなか難しいのかもしれませんが、とても重要なことですし、同時にどれだけプラス思考の言葉がけができるか、というのも大事だと思います。ガミガミ言われながら上にあがるのと、褒められながら上にあがるのではその到達点は大きく違ってくるでしょう。高校生のわが子を褒め続けるなんてムリ、とか言わずに、ぜひ信頼して褒めて上にあげてもらいたいですね。いくつになっても、自分が親になるまでは、子どもは親に認めてもらい、褒められたいのではないかなと思います。

ということで、親自身が前向きになるトレーニングとしても、子どもが頑張る力をつけるためにも、登山というのはとても良い経験になるのでは、というのが、今回のブログで伝えたいことでした。もちろん純粋に自然を楽しむためにも登山は素晴らしいものです。くじゅう連山はとても景色がよかったです。遠くに見える阿蘇に次は行ってみたいとおもいました。

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